ヴィンテージ考 ブルゴーニュ2006年について


(2008.4 記)

グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュ(Bureau Interprofessionnel des Vins de Bourgogne他)とDIVA(CHAMPYのクルティエ部門)のテイスティング・イベントに参加する為に、ブルゴーニュに2008年3月10日から3月15日の間、出張してきました。

ボトル詰めされたばかりの2006年ヴィンテージを数百種類、毎日、テイスティングするという大変な機会を得ました。

総論として、2006年ヴィンテージは冷涼な気候を反映して、作り手の技量と畑の格がそのまま反映されたワインが造られたと思います。
畑の格という点では、ACブルゴーニュはACブルゴーニュらしく、村名は村名らしく、グランクリュはグランクリュらしく、という感じです。

そして、2006年のブルゴーニュ・ワインは「赤はそこそこ、白は優良な出来」と言われていますが、北の地域、即ち、シャブリとジュヴレ・シャンベルタンは、果実味が不足した結果、夫々、ミネラル(シャブリ)・タンニン(ジュブレ)が目立つ、残念なワインが多かった様です。

グランクリュは、素直に畑の性格を現している様で、ヴォーヌ・ロマネ村でいえば、リシュブールが圧倒的な立体感とバランスを持っていたのが印象的でした。
あえて、ランキングをつけると :
1. アンヌ・グロ
2. メオ・カミュゼ
3. ジャン・グリボー
4. テイボー・リジェ・ベレール
5. A・F・グロ
6. グロ・フレール・スール
というのが個人的な順番です。
もちろん、グロ・フレール・スールも樽香が強すぎる点を除けば、十分な果実とシルキーで膨大なタンニン、そして真っ直ぐに伸びる雄大な余韻が、「王様の畑」を如実に表現している素晴らしいワインだと思いました。(宗)

ブルゴーニュ ヴィンテージ・チャート(1900年~1944年)


例外的な年: ★★★ 偉大な年: ★★ 良い年: ★
平凡な年: - 悪い年: ×

1900年: -                  1921年: ★★
1901年: ×                  1922年: ★            
1902年: ×                  1923年: ★★★
1903年: ×                  1924年: ★
1904年: ★★                 1925年: -                 
1905年: -                  1926年: ★★                 
1906年: ★★                 1927年: ×                 
1907年: -                  1928年: ★★            
1908年: ×                  1929年: ★★★
1909年: ×                  1930年: ×
1910年: ×                  1931年: -
1911年: ★★★               1932年: ×
1912年: -                  1933年: ★★
1913年: ×                  1934年: ★★★                           
1914年: -                  1935年: ★★           
1915年: ★★★               1936年: ×                     
1916年: ×                  1937年: ★★                  
1917年: ×(白 ★)             1938年: ★
1918年: ★                  1939年: × 
1919年: ★                  1940年: -
1920年: ★★                 1941年: ×
                           1942年: ★
                           1943年: ★
                           1944年: ×

                                                        

参考文献    

ジャッキー・リゴー『ブルゴーニュワイン 100年のヴィンテージ 1900-2005』(立花洋太訳、白水社)

ブルゴーニュ ヴィンテージ・チャート(1945年~1980年)


例外的な年: ★★★ 偉大な年: ★★ 良い年: ★
平凡な年: - 悪い年: ×

1945年: ★★                 1968年: ×
1946年: -                   1969年: ★★★
1947年: ★★★                1970年: -(白 ★)
1948年: -                   1971年: ★★
1949年: ★★                 1972年: ★
1950年: ×                   1973年: -(白 ★)
1951年: ×                   1974年: ★(白 -)
1952年: ★                   1975年: ×
1953年: ×                   1976年: ★
1954年: -                   1977年: ×
1955年: ★                   1978年: ★★★
1956年: ×                   1979年: ★
1957年: -                   1980年: ★
1958年: ×
1959年: ★★★
1960年: ×
1961年: ★★★
1962年: ★★★
1963年: ×or-
1964年: ★★
1965年: ×
1966年: ★★
1967年: -

参考文献
ジャッキー・リゴー『ブルゴーニュワイン 100年のヴィンテージ 1900-2005』(立花洋太訳、白水社)

ブルゴーニュ ヴィンテージ・チャート(1980年~2005年)


例外的な年: ★★★ 偉大な年: ★★ 良い年: ★
平凡な年: - 悪い年: ×

1980年: ★                 2000年: ★ (白 ★★)
1981年: ★                 2001年: ★★
1982年: - or   ★            2002年: ★★★
1983年: -                 2003年: ★★
1984年: ×                 2004年: ★
1985年: ★★               2005年: ★★★
1986年: -
1987年: -
1988年: ★★
1989年: ★★
1990年: ★★★
1991年: ★★
1992年: ★ (白 ★★★)
1993年: ★★
1994年: -
1995年: ★★
1996年: ★★
1997年: ★
1998年: ★
1999年: ★★  (造り手によっては★★★)

参考文献
ジャッキー・リゴー『ブルゴーニュワイン 100年のヴィンテージ 1900-2005』(立花洋太訳、白水社)

ヴィンテージ考 ブルゴーニュ1997年について


(2007.12 記)
1997年は、収穫時期の天候に恵まれたため、ブルゴーニュでは「暑い年」といわれているヴィンテージです。
比較的天候に恵まれた年であったのにもかかわらず、リリースされたばかりの1997年は、果実味はあるものの、酸度がやや低めに感じられました(「カリフォルニア的」という人もいます)。
そのため、1997年ヴィンテージに対する私個人としての印象は、軽やかでチャーミング、悪く言えばどことなく締まりがなくて薄っぺらいというものでした。
しかし、2007年現在、1997年ヴィンテージはとても好ましい表情を見せています。 10年を経過したワインらしく、香りがかなり開いています。もっとも、動物香やスパイス香のような熟成香が主体ではなく、フレッシュさを保った果実の香りが主体なので、若々しさを感じさせます。 若干、落ちが早いという欠点もあります。また、ヴォーヌ=ロマネのグランクリュなどは、本来あるはずの迫力がやや欠けているともいえます。 しかし、ほとんどの1997年物は、口当たりがやわらかく果実味に満ち溢れています。ある意味、その華やかな果実味と繊細でしなやかな口当たりは、ブルゴーニュらしさを十分にたたえたヴィンテージであるといえるでしょう。「Burgundy」での経験上、シャンボール=ミュジニー、ヴォルネイ、といったアペラシオンで当たりに出会うことが多いです。 1997年ヴィンテージもあと一月すると11年目。早熟な11歳なら思春期を迎えます。もしかすると、ワインも思春期を迎え、そろそろ本格的な熟成香が現われてくるかもしれません。(漆)

ヴィンテージ考 ブルゴーニュ2003年について


(2008.1 記)
03年は、火のヴィンテージと呼ばれるほど暑く乾燥した気候の年でした。そのため、白・赤問わず、どのワインにも厚みがあります。
果実やアルコールのボリューム感はあるのに、酸味は感じられず、また、多くの赤ワインに果皮の焼けた香りとピノノワールとは思えない程の多量のタンニンを感じることができるので、ナパ・バレー等、収穫時期に気温が高い新世界のピノノワールとそっくりなスタイルともいえるヴィンテージです。

凝縮度の高さから、AOCブルゴーニュはコストパフォーマンスが高いと仰る方もいます。
しかしながら、そのようなスタイルから、多くのブルゴーニュ愛好家から懐疑的な態度をとられているヴィンテージでもあります。
当店も同様のスタンスから、ごく一部の例外を除いて、2003年ヴィンテージはオンリストしていないのが現状です。

もっとも、評価を見直すような事例にあたることがあります。
2003年に欠いていると思われる酸味がきちんと感じられる物もあるのです。
それは、ヴォーヌ・ロマネ村の赤ワインです。

まだ検証過程なので、すべてのヴォーヌ・ロマネがそうであるとまではいえませんが、このアペラシオンの物は2003年であっても、酸味と果実味のバランスがとれているものに出会うことが多いと思います。
原因ははっきりとまではわからないのですが、高すぎる気温を抑制するような要素があったと思われます。

ヴォーヌ・ロマネの土壌は、水分を含みやすい粘土質なので、蒸散作用によって温度が高くなり過ぎないという意見があります。
また、降雨量が他の村と比べて若干多かったという専門家もいます。

昨年、ドメーヌ・ビゾーの当主に直接話をする機会がありこのことを尋ねると「2003年の夏はシャンボール=ミュジニー村はまったくといっていいほど雨が降らなかったのに対し、ヴォーヌ・ロマネ村には適度に雨がふった」と答えてくれました。
造り手さんのからの話なので、話半分に聞いたほうがよいのかもしれません。
しかし、ブルゴーニュはアペラシオンごとにミクロクリマが若干異なるのですから、降雨量に違いがあり、その違いが味わいに変化を与えてもおかしくはないと思えます。

ともあれ、いろいろと異端視扱いされている2003年ヴィンテージも、今年で収穫から5年目をむかえます。再評価するよい機会なのかもしれません。(漆)