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ヴィンテージ考 ブルゴーニュ2003年について
(2008.1 記) 03年は、火のヴィンテージと呼ばれるほど暑く乾燥した気候の年でした。そのため、白・赤問わず、どのワインにも厚みがあります。 果実やアルコールのボリューム感はあるのに、酸味は感じられず、また、多くの赤ワインに果皮の焼けた香りとピノノワールとは思えない程の多量のタンニンを感じることができるので、ナパ・バレー等、収穫時期に気温が高い新世界のピノノワールとそっくりなスタイルともいえるヴィンテージです。 凝縮度の高さから、AOCブルゴーニュはコストパフォーマンスが高いと仰る方もいます。 しかしながら、そのようなスタイルから、多くのブルゴーニュ愛好家から懐疑的な態度をとられているヴィンテージでもあります。 当店も同様のスタンスから、ごく一部の例外を除いて、2003年ヴィンテージはオンリストしていないのが現状です。 もっとも、評価を見直すような事例にあたることがあります。 2003年に欠いていると思われる酸味がきちんと感じられる物もあるのです。 それは、ヴォーヌ・ロマネ村の赤ワインです。 まだ検証過程なので、すべてのヴォーヌ・ロマネがそうであるとまではいえませんが、このアペラシオンの物は2003年であっても、酸味と果実味のバランスがとれているものに出会うことが多いと思います。 原因ははっきりとまではわからないのですが、高すぎる気温を抑制するような要素があったと思われます。 ヴォーヌ・ロマネの土壌は、水分を含みやすい粘土質なので、蒸散作用によって温度が高くなり過ぎないという意見があります。 また、降雨量が他の村と比べて若干多かったという専門家もいます。 昨年、ドメーヌ・ビゾーの当主に直接話をする機会がありこのことを尋ねると「2003年の夏はシャンボール=ミュジニー村はまったくといっていいほど雨が降らなかったのに対し、ヴォーヌ・ロマネ村には適度に雨がふった」と答えてくれました。 造り手さんのからの話なので、話半分に聞いたほうがよいのかもしれません。 しかし、ブルゴーニュはアペラシオンごとにミクロクリマが若干異なるのですから、降雨量に違いがあり、その違いが味わいに変化を与えてもおかしくはないと思えます。 ともあれ、いろいろと異端視扱いされている2003年ヴィンテージも、今年で収穫から5年目をむかえます。再評価するよい機会なのかもしれません。(漆)